小出 宗昭 氏

SOHOしずおか 起業マネージャー  2007.04.07

『チャレンジャーに夢と自信を与える
SOHOしずおか、6年間の取り組み』

<講師略歴>
昭和34年6月14日静岡県生まれ。
法政大学経営学部卒業後、静岡銀行入行。横浜支店、瀬名支店、国際部、情報営業部(M&A担当)、経営企画部(グループ会社設立プロジェクト)を経て、静銀経営コンサルティング㈱へ出向。
平成13年2月より静岡県中部地区SOHO推進協議会事務局長をつとめる。
静岡市産学交流センター支援スタッフリーダー兼務。
創業・ベンチャー国民フォーラム主催「ジャパンベンチャーアワード2004」起業支援家部門経済産業大臣表彰を受ける。
著書に『あなたの起業成功させます』(サイビス)がある。





講演レポート
参加者 91名
チャレンジャーに夢と自信を与えるSOHOしずおか、7年間の取り組み
SOHOしずおか 起業マネージャー
小出 宗昭 氏 
「地域活性化伝道師」の1人、SOHOしずおか(静岡県中部地区SOHO推進協議会)インキュベーションマネージャーの小出宗昭氏は、創業支援施設の入居者へのサービスだけにこだわらず、ブレークスルーセミナーを仕掛けるなど、相談者を増やす戦略で具体的な200を超える成功事例を輩出してきている。
起業家等を支援する施設
SOHOしずおかが誕生
 SOHOしずおかがオープンしたのは2001年2月で、今から6年余り前です。当時、この手のハコモノを創るのが流行っていて、首都圏だと三鷹産業プラザが比較的うまくいっている、それを全国各地に広めていこうといった感じで、当時の通商産業省(現経済産業省)が補助金をつけて全国へ展開していきました。SOHOしずおかの場合、静岡県が施設整備をして、運営の責任を負うのは静岡市という全くの行政のプロジェクトでした。
「SOHO」というとデジタルっぽい響きがするし、スモールビジネスをサポートするような印象を与えますね。創業者を支援し孵化させるということからインキュベーターという言い方をするのですが、小さなオフィスをいくつか創ってその中に起業家を迎え入れて支援していこうという施設でした。
 現在、創業者支援施設は、全国に500以上あると言われている中で、そのほとんどが、ハコモノと化しているそうです。いわゆる施設を創っても創業者、起業家が入居しないし、入居しても働きに来ないケースがあると聞いています。ましてや外からの相談者なんてほとんど皆無です。一方でSOHOしずおかが注目を浴びたのは、早い段階からブースが満室になって、入居者はみんな当然のように働きに来るからです。
 そして、若年から年配まで多くの人たちが相談に見えます。今ぼくが関わっている起業家でいちばん若いのは高校2年生で、それはブログやWEBサイトでも紹介しています。ここ1年の最高齢の人は78歳の伝統品の工芸家です。ぼくが出演したテレビ番組を見て触発され、「80までにもう一花咲かせたい、小出さん手伝ってくれ」と言っています。本来土曜日は相談を受け付けていないのですが、今日も午前中に東京から1人来訪されました。そんな具合に、本当に沢山の方が訪れる施設になりました。
 このSOHOしずおかの取り組みを、経済産業省や関東経済局、中小企業庁がものすごく注目し、いろんなところで紹介してくださるせいかもしれませんが、日本全国の中でも創業支援、中小企業支援はかなり進んでいる町と言われるようになりました。
 ぼくは現役の銀行員で、いまも給料は静岡銀行から支給されています。2001年2月に、この施設が始まったときは他のハコモノと全く同じ環境でした。それでは、これまでSOHOしずおかで何が起きたか、どのように地域を巻き込んでいるかを説明していきたいと思います。
大きなネットワークが
大きなチャンスになる
 ぼくは静岡銀行へ1983年に入行しました。最初は横浜支店に3年間、次に静岡市内の住宅店舗に5年間、国際部に転属になって東京に3年間くらいいて、それからM&Aの仕事を7年間くらい勤め、このプロジェクト行きの辞令が出ました。それも突然人事部に呼ばれたのは、プロジェクト発足の5日前でした。当時は、青天の霹靂どころではなくて、ぼく自身、これまでの銀行員としての経験は長くても、創業支援や公的なるものへの知識や興味は全くなかったわけです。
 SOHOしずおかがスタートしたとき、施設の中の貸しオフィスの入居者はかなり無理に集めたという感じでした。それでも4ブースに空きがあって、入居している人はここに働きにくる必要性がないという状態で、非常に閑散としていました。相談者も今でこそ月間で100~120人いますが、当時は4~5人で1週間にゼロということもあったほどでした。
 実は現役の行員を公的な立ち上げプロジェクトに出向の立場で出すというのは、静岡銀行にとっては極めてまれな選択で、ぼくが初めてだったそうです。それで、ぼくが勝手に理解したのは、「結果を出さないと銀行に戻れない」というプレッシャーです。
 そして、ぼくが必死に取り組み始めたのは、地元行政の人たちの半端じゃない熱意です。ぼくが異例的に出向しているのは分かっているから、彼らは活性したフィールドにしていこうという思いを持っていて、静岡市の若いスタッフが毎朝来て、ガンッと張り付いて、「小出さん、何でも言ってくれ」と言い、静岡県の職員も、最初の1年間は週3日間、弁当を持参してくれたので、ランチミーティングを繰り返しました。
 銀行時代であればマニュアルやルールに則っていればいいのですが、この手のプロジェクトはロールモデルさえなくて、どうしていいか分からない状態で、行政からは、「好きなように進めてください。ただし、にぎやかな施設にしましょう」と言われました。
 ぼくだって経験はないし、はたと困ったのですが、押さえるべき考えは2つありました。前例がないわけだから、本来あるべき姿を求めることと、ニーズを探求することです。
 ふつうわれわれのような創業者支援施設は、施設の創業者のサポートだけをプロジェクトと考えるわけです。でもぼくが一日中はりついてブースの13社の起業家だけに対してサポートすると、すぐに仕事が尽きてしまうだろうと考えました。それで、最初はなかなか働きに来なかった入居者をつかまえては、ニーズを聞いていったのです。「われわれSOHOしずおかに何を期待するの?」と、率直に尋ねました。
 そうしたらみんなだいたい共通して「ネットワークがほしい」と言いました。それは、「起業前、大きな会社に勤めていたときは、その会社が持っている大きなネットワークの中で仕事ができたが、起業したとたんに、そこから離脱させられてしまう。非常に小さな枠の中で仕事をするので、可能性そのものも小さくなってしまう。それを広げるのは大変だから、SOHOしずおか自体が大きなネットワークを持ってくれれば、自分たちはその中で大きなチャンスが生まれる」という話です。
施設の外へのサービスで
人の流れを創ろうとする
 これで方向性が決まりました。入居者の起業家の人たちをサポートするけれども、もっと圧倒的に多くの時間を施設の外の人たちをサポートしていこうと考えたのです。
 そして、ターゲットは二つに絞りました。第一に、われわれの仕事は創業支援なので、外にいるたくさんの創業者に声かけをして相談に来てもらおうと。ふたつめは、SOHOしずおかの広場、ロビーを仕事の回るネットワークにすることです。仕事が回るネットワークとは、仕事の出し手を呼ぶわけです。仕事の出し手とは、商店街であり地場産業であり、その地域の中堅中小企業の人たちです。
 ぼくらの年間予算1500万円のほとんどは家賃に消えてしまい、常駐職員はこの6年間、ぼくだけで、あとは派遣社員の女性3人でした。
 それでも、最初から勝算ありと思ったのは、ぼくが銀行員、M&A担当のとき、商店街や地場産業の人たちは、それ相応に経営的な悩みや課題、問題点を抱えていたからです。それなのに本当はそういうところを責任持ってサポートしなければいけない地方銀行や信用金庫などの取引金融機関は、ぼくがこのプロジェクトに来た頃、大量のバブルが破綻して、不良債権を負って、リストラの名のもと、営業担当行員を少なくして、お客さまのところへ行く回数も減っていたので、われわれの入り込む余地があったわけです。
 SOHOしずおかに来て驚いたことの第一は、公的産業支援機関には銀行員時代に知らなかった支援制度がたくさんあるのに、あまり使われていないということです。
 それで、ぼくたちはこんなにちっぽけで、なんの支援制度も持ってないけれど、突っ込んで相談に乗り、ニーズや課題を満たせば、起業者がたくさん来てくれるだろうと思って、眠っている制度も含めていろいろ探しました。
 そして、さきほども言ったように、中の人のサポートよりも、むしろ外から人を引っぱりこもうと思ったのです。それで、そのような方向性、ニーズは分かっていたのですが、バッと人が来るほど世の中そう甘くはありませんでした。
 SOHOしずおかの施設は、静岡市街のど真ん中にあるものの、商業ビルの6階にあって、全然目立たない場所で、しかも「SOHO」と言った時点でイメージがつかず人がなかなか来ない状態でした。そこで、じっと待っていてもダメ、人の流れを創ろうと考えました。
ブレークスルーセミナーで
異業種交流の場を提供する
 首都圏、特に東京都内だと、ベンチャー企業の経営者やビジネスマン、大学の先生、学生などが、一堂に会するような異業種交流の場が結構ありますが、静岡のような地方都市だと、そのような誰でも集まれる場が少ない。例えばJCや法人会だと、それに加入しているメンバーだけが対象で、地方都市には結構クローズしたものしかないのです。
 そこに目をつけて、誰でも参加できる異業種交流の場をわれわれが提供すれば、SOHOしずおか自体に興味がなくても、来てくれるかもしれないと思って2001年4月から始めたのが、ブレークスルーセミナーです。短期的にわれわれの知名度を上げていこう、地域の人たちに知ってもらうためのきっかけづくりが必要だと考えました。
 したがって、SOHOしずおかならではの、オリジナリティーのある、かつ地域にガツンとインパクトを与えるような強烈な講師を呼んで、地域の人たちを集めよう、その場でSOHOしずおかの話をすれば興味をもって来てくれるかもしれないと期待したものの、最初は40~50人でした。
 これは今日、80回近くを数え、先月は㈱クリエイティブ・シニアの残間里江子氏、NHKアナウンス室長の山根基世氏、ソフィアバンク副代表の藤沢久美さんでパネルディスカッションを行いました。
 講演会には来ても、相談しに訪れてくれるまでにはなかなか結びつかないと考えたときに、要因分析をしました。その結果、行政の産業支援や創業支援の施設に相談者の数が非常に少ないのは、官の人にサービス業という意識が希薄だからということが分かりました。パンフレット一つとっても、民間のものだと効果がすぐに想像できるのに、官のものはイメージつかないのが決定的な弱点だと思いました。ましてやわれわれは広告宣伝費がゼロで、パンフレットさえ作れません。しかし、どのように伝えればよいかを考えて、SOHOしずおかに足を運んだら、起業家の人たちに具体的でわかりやすく伝わるような見せ方にしていきたいと思ったのです。
具体的な成功事例を積み上げ
マスメディアに伝えてもらう
 地域行政や銀行の期待を背負いながらも、結果を出し、情報発信をし続けるという戦略の重要性に気がつきました。具体的でわかりやすい成功事例を生み続けることです。それで、成果が出れば、マスメディアはきちんと伝えてくれます。現に日本経済新聞がわれわれの成功事例を報じてくれた直後から流れが変わりました。だから成果を出し、情報発信をし続けるという戦略に切り替えたところ、2003年11月には、NHKの「21世紀ビジネス塾」という番組で全国一斉放映されるまでになりました。現在、成功事例は200超です。
(1) 斜陽産業の下駄をブランディング化させる
 最初の成功事例は、構造不況の一途をたどる静岡の地場産業、下駄・サンダル製造業の、しかも下請けであった㈱水鳥工業所常務取締役の水鳥秀代さんが2001年7月の「IT何でも相談会」にお見えになり、「斬新な下駄の商品を製造したが思うように売れない」という相談を受けました。
 そこで、ぼくはSOHOしずおかの入居者で、マーケティングプランナーの富山達章氏を紹介しました。彼とのコラボレーションでブランディング化の作業を行い、パンフレットやチラシ類を全部切り替えて明確なメッセージを打ち出し、東京ビッグサイトで行われたギフトショウに出展したところ、とたんに二つの大手百貨店の目にとまって、多数の店舗に置かれるようになりました。それが日経新聞やローカル紙の全国版で書いてくれて、売上増につながりました。
 単体ではなかなか結果が出ないものを、コラボレーションを組むことによって、新しく生まれ変わるという事例です。それは、2005年から行われている中小企業庁の新連携という事業のロールモデルと言われていますが、ぼくはその事業評価委員という審査員をつとめることになりました。
(2) スポーツ栄養士によるスポーツ弁当
 毎月平日の夜の開催で受講者も割と堅いブレークスルーセミナーに引っかからない層の中にも絶対面白い人がいるに違いない、そういう人たちが集まるものにしようと思ってSOHOしずおかのロビーで始めたのがカルチャーセミナーです。そして、2003年1月15日の「アロマテラピー講座」に参加した古旗照美さんは、スポーツ栄養士でした。
 例えばワールドカップのコリアジャパン大会のときにトルシエジャパンがチームに必ず帯同させてたのがスポーツ栄養士で、選手のコンディションを完璧なまでにコントロールしていたという話が雑誌や新聞などで報じられていたし、マラソンランナーの高橋尚子さんが海外に遠征するときも、スポーツ栄養士がついて体調をコントロールしていることを知っていました。
 しかし、まさか静岡市内にそういう人がいるとは思っていなかったので、ものすごい強い興味を引いて、詳しい資料をもって来てとお願いしました。それで、彼女の資料を見れば、彼女が全国のスポーツ栄養士の中のトップランナーの1人で、インターネットの新聞記事検索システムを使って、過去15年間のスポーツ栄養学をバーッと調べると、古旗照美の存在がスポーツ栄養士のだいたい上位5人に入っていることを知り、ブランド力を持てるだろうと思ったのと、スポーツ栄養学を盛り込んだ、既存の商品がスポーツ飲料やカロリーメイトなど極めて限られた分野にしかないのが分かりました。
 彼女との話し合いの中でトップアスリートからちびっこサッカー選手まで、アスリートたちが朝昼晩の食事の中で取り込んで初めて機能するはずの栄養学に該当するはずの商品がないので、日本で初めてスポーツ栄養学を盛り込んだお弁当なら必ず売れると思って、大手総菜会社の㈱天神屋とのコラボレーションで、スポーツ弁当が開発されました。
 最初、全国発売を考えていました。というのは、全国各地のグラウンドや、体育館で週末に多くのアスリートが試合やトレーニングをしていて、その際、かなりの数がお弁当を買っているだろう、同じような価格帯であれば、大半のアスリートやアスリートの親たちはスポーツ栄養学を盛り込んだお弁当をチョイスするに違いないと思ったからです。
 ところが、当時も今も、同一の商品をデリバリーできるルートはコンビニエンスストアしかなく、スポーツ弁当とのコンビネーションがあまり良くないと判断し、最初に静岡国体で売り出したところ、10日間で3万食を完売することができました。
 なお、このスポーツ弁当は、静岡県ニュービジネス協議会主催の「ニュービジネス大賞」の2003年大賞に選ばれました。
(3) アメリカ製の抱っこひもを日本人向けに作り替える
 2001年9月、地元フリーペーパーの特集「SOHOはじめて物語」に北極しろくま堂㈲の園田正世さんが載っていました。「スリングというアメリカ製の抱っこひもを使ったら良かったので輸入して、お母さん方に販売している」という記事を読んで、アプローチしました。すると1年後に「1人で始めて、ネットショップで月商数十万円程度になった。ホームページやチラシのデザインを何とかしたい」と相談を受けたので、入居者のITコーディネーターである㈲バリューファクトリー社長の長池直樹氏を紹介しました。
 園田さんは普通の主婦でしたが、その後、単身渡米してライセンス契約を結びました。そして順調に売上が伸びる中、オリジナル商品「キュット・ミー」を開発して売り出しました。
 彼女は1昨年2月に私どもの狭い施設を出て、ネットショップからリアルな店舗を出していくのです。第1号店は自由が丘、2号店は神戸です。また、非常に商品力が高いので、多くの百貨店からオファーがあり、ほとんど営業経費をかけずに、伊勢丹、高島屋、地方の有名百貨店など全国40店舗の百貨店と取引があります。
 彼女はあまり宣伝するのが好きではないので、メディアへのプロモーションは、ぼくがほとんど行ってきました。実は新聞記事一件は、どんなにお金をかけたパンフレットやカタログよりも威力があるのです。園田さんはその後2005年の第4回女性起業家大賞と日経WOMAN・オブ・ザ・イヤー2006の栄冠に輝きました。
「挑戦することは尊い」という
メッセージを発信し続けたい
 これまでとにかく結果にこだわってきました。もちろん結果はたくさんの相談の中の一部にしかすぎません。でも、少なくとも他の地域で行われている産業支援よりも成功事例の数は出ると思っているのです。それはアプローチの仕方や、取り組み方も違うからです。そして、ぼくは、「挑戦することは尊い」というメッセージを出し続けて、チャレンジャーがたくさん生まれることにこだわっていたい。
 ぼくは正直言って今、相談の数がめちゃくちゃ増えて忙しいのです。しかし、ぼくがいつも心がけているのは、どんな相談でも絶対手を抜かない。可能性があろうがなかろうが、ぼくは変わらない。同じ調子で続けることが絶対重要。手を抜いたり慢心した瞬間にSOHOしずおかは崩壊します。これ、ものすごい危機感なのです。
 われわれが産業支援や創業支援にあたっていていつも思うのは、起業が絶対的に価値の高いものではないということです。しかし、銀行員でも、公務員でも、教職員でも、場合によっては家庭の主婦でも、日々の生活の中で、あまり問題意識をもたずというのではなく、小さくてもいいから変革、イノベーションを起こすように意識して生活すれば価値があるのです。それがさっき言った、挑戦することだと思います。地域のみんなが小さなイノベーションを起こそうというようになってくれたら、その地域は確実に変わります。そういったリード役にぼくはなりたい。
 こんなぼくでも期待してくれて、内閣府から全国235人の「地域活性化伝道師」に選ばれました。銀行の末端管理職のぼく、小出にこれまで期待してくれるのだったら、やってあげましょう。そんな偉そうに言ってるぼくだけど、1人の力ではなしえません。バックヤードを固めてずっと一緒に走り続けてくれている静岡市の行政のサポートがあったればこそです。
講演会を継続すれば
町の雰囲気が変わる
 ここ大網白里町も、すごくいい流れだと思うのです。だからぜひぜひみなさんが、熱い思いでこの地域を変えようと思って、何かに取り組んでくれたら、この地域にとってプラスだし、ぼく、小出個人もすごく嬉しいなと思います。
 全国各地を歩いていますが、このねっと99夢フォーラムのようにボランティアの有志が集まって毎月定期的に講演会を開催しているようなところはあまり見あたりません。みなさんは非常に恵まれていると思います。
 世話人の思いが伝播しています。中でも大里綜合管理㈱社長の野老真理子さんのこれまでの取り組みがあったからこそと思います。また、それに対してちゃんとこうして参加している市民のみなさんの思いが充分伝わってきます。この灯を絶やさないで続けるべきだと思います。
 SOHOしずおかのブレークスルーセミナーも80回近くになりましたが、最初はねっと99夢フォーラムのように順調ではなかったのですが、ようやく定着した感があります。
 ねっと99夢フォーラムも継続していけばきっときっと町の雰囲気が変わってくるし、皆さん自身がこの町に強い思いを持って新しいものが次々に生まれたり、どんどん活性したりして町に対して思いが込められてくるような地域なるでしょう。ぜひぜひ頑張ってください。
               (構成/ねっと99夢フォーラム 土屋雄二郎)
※無断転載を禁じます。
ご意見  【講師・参加者】
講師のコメント (小出 宗昭)
地域起こしの鍵はやっぱり情熱!
SOHOしずおか インキュベーションマネージャー 小出宗昭
2007年04月10日
小出です。
4月7日に千葉県山武郡大網白里町に行きました。
この夜お会いした皆さんがとにかく熱い方々です。大里総合管理㈱の野老(ところ)社長、
地域活性プロジェクト「ねっと99夢フォーラム」の土屋さん、水島さん、真田さん!
この4人が中心となって 全くゼロから 地域を巻き込みその活性化目指して取組んでいます。
地域に元気なネットワークを構築していくチャレンジは「SOHOしずおか」と同じ。
そしてここには「SOHOしずおか」がいつも伝え続けたいと考えている
『情熱』
があふれていました。
特に野老さん・土屋さんの地域に対する想いと熱意と行動力には驚かされまた大変感動しました。
民間の力だけで地域活性に挑んでいる「ねっと99夢フォーラム」!
これからもがんばってください。
(「SOHOしずおか探検隊」より)
バンカーの目(飯塚 務  大網白里町在住)
地域起こしの鍵はやっぱり情熱!
先輩の講演をきいて
 第4回目「ねっと99夢フォーラム」の講師が、創業支援施設「SOHOしずおか」のインキュベーションマネージャー小出宗昭氏であることが分かった時点で、即今回の講演の申し込みをした。なぜなら、小出先生は静岡銀行の現役行員であり、千葉の地方銀行に勤める僕の「銀行員としての先輩」にあたるからだ。
 行政主導で創られ、その執行を民間の銀行員が行うという当時前例のないスタートをきった創業支援施設「SOHOしずおか」。起業を考える人に施設の一室を提供し、その入居者の事業を徹底的にサポートするという仕組みでこの施設(ハコモノ)は運営されている。廃業に悩む静岡市が一変、起業の街へと変貌を遂げるその過程と秘訣を、小出先生は、大きな身振り手振り、そして時折見せる強烈なウインクとともに熱く語ってくれた。
 講演の内容は期待していたものを遥かに超えるものだった。その中でも最も印象に残っていることは、「前例がないことをやるのだからこそ、本来あるべき姿を求め、ニーズに合うものを提供しよう。」というフレーズである。大袈裟と言われるかも知れないが、この言葉は仕事上だけでなく、人が生きていく上で最も大切な考え方だと思った。
 仕事をする上でも、家にいるときでも、「相手が自分に何を求めているのか、そして自分はそれに対し何ができるのか。」この考えを念頭に置き行動しようと思えた。講演に感銘を受けるだけでなく、明日からでも挑戦に移せる'何か'を見つけることが出来た。たったそれだけのことでも、講演が自分にとって価値のあるものであったと実感できる瞬間だった。
 ねっと99夢フォーラムには、学生と思われる若い人から、僕のような社会に出たての人もいる。地域の企業の社長もいるし、セカンドライフを楽しんでいる人もいる。講演の内容はどの世代の人の心にもうったえるものがあり、満足そうな顔をして会場をあとにしているのを見ると、「あの人も今日の講演の中に特別な'何か'を見つけたのかな?」とか、「この会を通じてまた新しい友人が出来たのかな?」とうれしく思う。
 また同時に、担当させてもらっているお客様の相談を受け、自分にしか出来ないオンリーワンの提案ができ、熱意を持って仕事をする銀行員にならなければいけない。と身の引き締まる思いである。
参加者のアンケートより
回収45枚
回収させていただきましたアンケートより
1.当フォーラムをどこでお知りになりましたか。
  知人 20  チラシ 11  その他 13
2.本日の講演会はどうでしたか。
  とてもよかった 30  よかった 12  まあまあ 1
  ◎地域や企業を考える上で非常に参考になりました。
    (男性)
  ◎私も、情熱をもって何かにチャレンジします。 (女性)
  ◎わかりやすく、あっという間に時間が過ぎました。
    (女性)
  ◎マネジメント能力の重要性と情熱を感じた。 (男性)
  ◎パワーあふれるお話、とても素晴らしかった。(男性)
  ◎「町づくりは人づくり」と思った。
  ◎この町にも小出さんのようなコーディネーターが
   ほしいと思いました。  (女性)
  ◎情熱が大切ですね!  (男性)
  ◎勢いのある話に圧倒されました。
   「やればできるじゃん」精神でやりたいと思います。
    (女性)
  ◎主婦でも行動力。情熱があればどんな事でも
   できると感じた。